【考察】見えざる手と市

日記
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見えざる手

アダム・スミスが18世紀に提唱した「見えざる手」の概念は、当時の商業や市場の自律的な調整を説明するものでしたが、現代のオンラインゲーム内取引所においても同様の力が働いていることが観察されます。

アダム・スミスは、投資家が自らの資産運用で、自らの利益を求め、その収益性と危険負担(リスク負担)を熟慮して運用しようとすることを指摘し、かつ擁護している[要出典]

この様な部分知にしか基づかず、全体を見渡した行動ではない(たとえその投資行動が社会全体の利益実現を何ら念頭に置いたものではなくとも)自利心に導かれた行動、つまり個別投資家の行動が自らに係る資産運用において安全かつ効率的であろうとすることが、結果的に、あたかも「見えざる手」に導かれるかの様に、全体としての効率的な投資を実現し、経済を成長させることを論じた[要出典]。逆に、他人の個々の投資行動を指図しようとする行為は、誰も責任を取れない行為であり、有害であるか無益なものになる。

この言葉はしかし、現代の初等経済学では元の文脈を離れて、市場における自由競争が最適な資源配分をもたらす、(需給関係を通じた価格変動の)自動的な調整機能を指すものとして使われることが多い。

Wikipedia より

ゲーム内では、プレイヤーが自発的にアイテムや仮想通貨を売買し、需要と供給のバランスが無意識のうちに形成されていきます。プレイヤーたちは自分の利益を求めて行動し、希少なアイテムを高値で売り、余剰となったアイテムは安値で放出するなど、経済的な行動を取りますが、その集合的な意思決定が結果的に取引市場全体の安定をもたらします。

価格メカニズム

たとえば、新しい装備アイテムがアップデートで実装されたとしましょう。初期の頃には多くのプレイヤーがその装備を欲しがり、価格が急騰します。しかし、時間が経つにつれてプレイヤーがそのアイテムを製造・入手し始め、徐々に市場に流通するようになると、価格は自然と低下していきます。

こうした価格変動は、個々のプレイヤーが市場全体を管理しているわけではないにもかかわらず、集団としての行動が市場を自律的に調整していることを示しています。この現象は、まさにスミスの「見えざる手」による市場の自己調整メカニズムがデジタル空間で再現されているとも言えるでしょう。

アイテムと通貨

さらに、オンラインゲームには多様なプレイヤーが存在し、彼らの目的も異なります。戦闘力を高めるために装備を集めるプレイヤー、コレクターのように希少アイテムを集めることに喜びを見出すプレイヤー、または仮想通貨を増やして「富豪」的な立場を楽しむプレイヤーなど、さまざまです。このような異なるニーズが重なり合うことで、ゲーム内取引所は複雑かつダイナミックな仮想経済を形成しており、需給の変動や価格の変化はリアルタイムで反映されます。

ゲーム内通貨を多く保有する者

さらに興味深いのは、現実の経済学の知識を応用することで、ゲーム内での利益を最大化しようとするプレイヤーも増えていることです。経済学や金融の知識を駆使して市場の動向を予測し、レアアイテムの需要が増える前に仕入れて価格が高騰した時に売る、あるいは仮想通貨のインフレーション対策として資産を多角化するなど、まさに投資家のようなプレイヤーが登場しています。

こうしたプレイヤーの行動もまた、ゲーム内の経済バランスに影響を与え、他のプレイヤーの行動を引き出すことに繋がり、全体としての取引所のバランスを調整する役割を果たしています。

まとめ

こうして見てみると、アダム・スミスが思い描いた「見えざる手」は、現実社会だけでなく、オンラインゲームの仮想空間においても、プレイヤー同士の相互作用によって新たに発現し、デジタルの経済における自己調整の仕組みを作り出していると言えるでしょう。

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江口可憐
江口可憐
4 days ago

経済学部卒です。
「アダム・スミス」の「神の見えざる手」・・・講義で良く聞いた事を思い出しました。

「信長の野望Online」の市場については、図らずも私も全く同じ考えで、市場における各人の考えが見えないかなと思っていました。現実の市場の縮図として、です(流石に現実の市場を観察できるほどの力はないので)。

ゲーム世界の限界として、NPCからお金を受け取ればマネーサプライが増加し、逆にNPCにお金を渡せばマネーサプライが減少するなど、首を傾げつつもやむを得ない面もありますが、参考にできる面は参考にしたいです。

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